あらすじ
支配民族「カーマ」は戦争によって惑星ルーンを凍結させ、隣星のマージへと移住した。 それから四千年後、過去の戦争の記憶は風化し、カーマは他者の精神を侵犯する能力を用いて奴隷民「イコル」を最下層とする階層社会を形成していた。
[編集] 用語
カーマ
支配民族。四千年前の古代戦争でルーンを凍結しマージへ移住した。
イコル
カーマの階層社会の最下層を構成する奴隷民族。
イムリ
ルーンの原住民。
光彩
全ての物質が持っているエネルギー。
彩輪
生物が持っていて強化可能な「光彩」の総称。
基本彩輪
強化彩輪を作るための土台となる彩輪。
強化彩輪
鍛えられることで基本彩輪から分離した彩輪。カーマは基本的に自分の「名」で彩輪を鍛える。
誘導(操守)彩輪
強化彩輪の第一段階。他者の彩輪を「摘出」する。
促迫(侵犯)彩輪
強化彩輪の第二段階。他者の彩輪と「適合」する。
命令(支配)彩輪
強化彩輪の第三段階。他者の彩輪と「共鳴」する。
侵犯術
強化彩輪を使って他者の精神を操る技術。
誘導
誘導彩輪で他者の彩輪を摘出し、行動を操る。
促迫
促迫彩輪で他者の彩輪と適合し、精神を操る。三度重ねてかけられると奴隷化する。
命令
命令彩輪で他者の彩輪と共鳴し、即時奴隷化する。
[編集] 階級構造
カーマ民族の社会は、強固な階級構造が構成されている。階級によって服装や髪型、扱える侵犯術のレベルが細かく規定されている。
[編集] 賢者
カーマ社会の最高権力者。初代賢者より連なる一族のみがこの地位を継承している。年齢の序列により、さらに「大賢者」「若賢者」などの階級に細分化される。
[編集] 呪師系
マージ星に移住したカーマ民族の社会を統率してきた者達。侵犯術の扱いに長ける。
呪大師
呪師系の頂点に立つ者。
呪師衆
呪師の中でも更に高位に位置する者達。命令彩輪まで扱える事が許されている。カーマ社会の意思決定に直接携わる。
呪師
カーマ社会を運営する集団。命令彩輪まで扱う事が許されている。
呪者
呪師の候補となる集団。促迫彩輪まで扱える他、古代文献の閲覧が許されている。
覚者
候補生を卒業した者がこの階級となる。促迫彩輪まで扱う事が許されている。
候補生
呪師系の一員となるために侵犯術を学ぶ者達。誘導彩輪まで扱える。
[編集] 軍事系
強化彩輪を与えられ、凍結したルーン星を再開拓する使命を帯びた者たち。開拓が進むとともに呪師系に対抗できるだけの勢力を持つようになる。呪師系とは、ルーン星の実権をめぐって対立状態にある。
大大師
ルーン星を統括する最高責任者。軍事系の頂点に立つ者でもある。命令彩輪まで扱える。
大師
ルーンの各地方を治める長官。軍事系出身の者と呪師系出身の者があり、ともに命令彩輪まで扱える。
軍隊師
ルーンに駐留する軍隊の指揮官。促迫彩輪まで扱える。
監督者
一般の兵を直接指揮する隊長格。誘導彩輪まで扱える。
カーマ兵
一般の兵士。この階級内でも更に細かく序列が分けられている。強化彩輪は扱えないが、いつでも誘導彩輪を持てるよう名の彩輪を強化している。
奴隷兵
奴隷化された者達による兵士。自由意志が無いため死を恐れず、どんなに傷ついても向かってくる。
[編集] その他
従師
賢者に直接仕え、身の回りの世話をする役職。賢者を護衛する役目も担っており、そのため人の名前を覚える訓練を幼少時より積んでいる。
呪仕
呪師系の中でも覚者以上の者に仕え、身の回りの世話をする役職。
郡民
カーマ社会の大多数を成す一般庶民層。強化彩輪の所持は許されていない。
奴隷
「命令」や三連続の「促迫」などによって奴隷化の処置を受けた者達。大多数がイコルで構成されているが、中には奴隷化の処罰を受けたカーマもいる。
[編集] 登場人物
[編集] 呪師系
デュルク
カーマの権力者層「呪師衆」の家に生まれ、寄宿学校に入学したばかりの新候補生。入学当初から非凡な才能を示すが、決してそれに奢ることなく、常に他人への思いやりを欠かさない心優しい性格。幼い頃から一度も訪れた事の無い筈のルーンの夢を見るなど、普通のカーマに無い現象が多く見られる。
ラルド
強力な彩輪を持つ覚者。候補生時代は成績優秀で知られていたが、とある事情から覚者のまま昇進が止まっている。とはいえ、呪師衆からは重用されている。デュルクと共にルーンへ研修旅行へ行く。
イマク
ラルドに仕える呪仕。温和な性格で、他人に辛く当たりがちなラルドをフォローする役割を持っている。
オレイグ
デュルクの父。呪師衆。デュルクに対し、定期的に促迫をかけて思想調査を行っている。
ピアジュ
デュルクの母。特殊な「夢」を見る能力を持っている。
ミューバ
デュガロの養女。デュルクと瓜二つの顔を持つ。幼い頃からデュルクの夢の中にたびたび姿を表していた。感情の起伏が非常に激しい。
デュガロ
ルーン星の大師の一人。ルーンにおける呪師系のリーダー格と言える存在。一見好々爺然とした風体だが、その内実は機転の効く策略家。
ガラナダ
デュガロの部下である呪師。賢者に仕える従師の家に生まれるが、父と兄は「抗体」を巡る呪師系の陰謀に巻き込まれ奴隷化、ガラナダも奴隷化されかけたところをデュガロに救われ、以来その部下となる。「名」を覚えるという元従師としての特技に加え軍略にも長けており、デュガロの懐刀として辣腕を振るう。
ガヴィド
寄宿学校でデュルクと同室になった候補生。郡民の家の出身で、家族の期待を一身に背負う一方、その出自にコンプレックスを感じてもいる。
ドネーク
寄宿学校の上級生。父親が呪師衆で、その事を笠に着ている。「誘導」を使った下級生いびりが趣味で、それを邪魔するデュルクとは何かと衝突している。
賢者
名目上はカーマの最高権力者だが、現在の賢者は赤ん坊の頃に一族を暗殺され、以来呪師系によって重要な事は何も知らされず、呪師系の傀儡となるよう育てられる。
[編集] 軍事系
ババド
ルーンの軍隊師。バニエストクの孫であり、ドルガンの甥でもある。短気な性格で、自分より階級が下の者にしばしば当り散らしている。部下を奴隷化されたことのあるガラナダを憎んでいる。
バニエストク
軍事系の頂点である大大師。ルーンの実権を呪師系に渡す事を良しとせず、呪師系に対してクーデターを画策する。
ドルガン
軍事系の大師。ババドの叔父であり、直属の上司でもある。万が一の際の策を欠かさない慎重な性格。
[編集] イムリ
旅のイムリ
その通称どおり、イムリ大陸の各地を旅して歩く旅人。イムリ大陸はほぼ踏破しており、大陸の外へ行きたがっている。旅人だけに、地理や各地に伝わる伝承に詳しい。クーデターが起こった際、さらわれたラルド達を追うデュルクに道案内を頼まれる。カーマを疑っており、当初はデュルクに対しても反感を抱いていたが、旅を続けるうちにその人柄に振れ、打ち解けあう。
入り江のイムリ
入り江の村のイムリで、村人からは狩りのイムリとも呼ばれる。旅のイムリとは旧知の仲で、子供達に祭りの花火を見せようと新都市近くに来ていたところ、デュルクと同行した旅のイムリに出会う。