作風
* 独特のエロス観と情愛で、ごく日常の中にある裸体・猫・花・風景などの撮影を得意とする。その作品は、天才的なひらめき、感覚によるものが多く、ときには、下品さもいとわない。一部の作品については女性をモノのように扱っているのではないかと議論を呼んだり、かつては、「いろもの」的な写真家ととらえられることも多かったが、遅くとも1990年代には、その高い評価は固まったといえる。
* 1990年に亡くなった妻の姿を撮影したことで世間に衝撃を与えた。この写真を発表した写真集「センチメンタルな旅・冬の旅」をめぐって、意見が対立した篠山紀信としばらくのあいだ絶縁状態が続いた(→「センチメンタルな旅・冬の旅」論争)。
* コンセプトも含めて、冷徹な計算に基づく、華麗で上品な作風である、篠山紀信の作品とはきわめて対照的であり、一部では、この2人の対照性を強調して、それぞれのファンを「荒木派」「篠山派」と、呼ぶこともある(使い方の例。ギャラリーにて。「ツァイトフォトのホームページを見ると、そのコレクションに、荒木は含まれていますが、篠山は含まれていません。それから考えると、ツァイトさんは、やはり『荒木派』ですか?」「いやー、そういうわけでもありません」)。
* マスメディアへの露出から、上記のように篠山紀信と比較されることが多いが、
o 私生活を撮ったという点では島尾伸三など
o 性的な私生活という点でナン・ゴールディンなど
o 離別した妻を撮ったということでは古屋誠一、深瀬昌久など
o 日本を代表するスナップ写真家としては木村伊兵衛、須田一政、鈴木清、森山大道など
と比較されることもある。
* また、その私生活へ向けられた視点は、いわゆるガーリーフォトと呼ばれるジャンルのきっかけとなり、HIROMIXや蜷川実花、長島有里枝などに大きな影響を与えた。
* ヌード写真や近年では少女をも含めた人物写真を得意とするが(ロリータ・アートも参照)、花などの静物写真、東京を対象とした都市写真にも傑作が多い。
* 台東区三ノ輪、いわゆる東京の下町出身ということで、人情味溢れるスナップ写真を撮ることでも有名である。また近所には「投込寺」として有名な浄閑寺(吉原 (東京都)参照)があり、その存在が彼の死生観を決定付けたと語っている。
* 尊敬する人物は岡本太郎。好きで好きで堪らなかったが遂には太郎にレンズを向ける機会に恵まれなかった。2006年、岡本太郎の正体をつかむ為彼の作品達をカメラに収めることを決意した。

- 荒木 経惟
- 風女(ふうじょ)
続きを読む »